鳥越NOW
梅雨入り前の6月、早朝から老若男女が鳥越の町に集結する。発輿式を終えた千貫神輿が宮出しされ、氏子二十二ヶ町へ渡御が開始するや否や、ひしめき合う見物客、時には荒々しい舁ぎ手の掛け声が響くなか各町会を練り歩く。やがて陽が落ち高張提灯に火が灯り、バリケードで封鎖され物々しい警備の蔵前橋通りは数万人の観客であふれ返る。一方、神事を司る限られた人だけが立入りを許された境内は、すぐそこの喧騒とは別世界。神聖な静寂に包まれ、頭衆の木遣りを先頭に祭礼行列が続く。幻想的な光景を繰りひろげながら睦会舁ぎ手による神輿宮入で例大祭は終わりを告げる。(本文より)
- Shinichiro Kobayashi: TORIGOE NOW
- ¥5 ,200(税別)2019年発売 金の星社
- A4変形・192頁・掲載写真186点
- Published in 2019 by Kinnohoshi-sha, Tokyo, Japan
- 192pages,187colour plates.
- ISBN978-4-323-07443-6